top of page

鳥取県議会 令和8年 2月定例会

語堂正範

2026年3月11日

この度の定例会における一般質問

 3月9日に令和8年2月定例会におきましての一般質問を行いましたことをご報告いたします。

- 冒頭 -

 令和8年2月定例会は、鳥取県が新たな成長フェーズへと踏み出す極めて重要な節目となりました。県立美術館の開館から1年、そして農業生産額1,000億円プランの進展など、私たちが描いてきた未来予想図が、今まさに具体的な「形」として地域に現れ始めています。

 今回の一般質問において、私は「文化・農業・スポーツ」の3本柱を提言しました。これらは単なる政策分野の羅列ではありません。東伯郡の豊かな土壌で育まれる農業、地域の誇りであるスポーツ文化、そして新たな感性を呼び起こす文化拠点。これらを融合させ、いかに地域の持続可能性へと昇華させるか。それが、次世代の子供たちが誇りを持てる鳥取を築くための基盤となります。


1.鳥取県立美術館の開館1周年と「開かれた美術館」の真価

 鳥取県立美術館は、単なる展示施設を超え、倉吉・中部エリアのプライドと経済を牽引する象徴へと成長しました。

 一定の実績評価として来館者数の30万人突破。
 開館以来、美術館は当初の想定を遥かに上回る活況を呈しています。

 先日、 来館者数303,939人を達成。令和8年2月28日、目標を大幅に上回るスピードで30万人を突破しました。これは、本館が「県民に開かれた場所」として深く浸透している証左です。
 企画展「Connected(コネクテッド)」の意義として、参加型展示を通じて鑑賞者が表現の一部となる「アートの民主化」を実践。バルーン作品へのメッセージ発信など、自由度の高い試みが、美術館を「特別な場所」から「日常を豊かにする広場」へと変貌させました。

鳥取県立美術館 [利用者30万人セレモニーを開催しました!]

https://tottori-moa.jp/ceremony-report/27965/



 順調な集客を地域全体の経済循環へ繋げるべく、以下の戦略を提示しました。

① 実態に即した回遊ナビゲーション

 調査の結果、利用者が「1便あたり1人」と低迷していたループバスに対し、来館者の約3割が白壁土蔵群へ徒歩や自家用車で移動しているという力強い事実も判明しました。今後は「バスの強制」ではなく、歩行者や車での自然な回遊を促すインフラ・情報整備に注力すべきです。

② 「防災国体」との多角的な連携

令和8年10月開催の「防災国体」では、美術館をハブとして活用します。特にジュニア赤十字(JRC)の活動紹介などを通じ、文化施設としての枠を超え、次世代の防災教育と地域交流が交差する場を創出します。

③ ポップカルチャーとのネットワーク化

 岡山県の奈義町現代美術館等との広域連携に加え、マンガ・アニメコンテンツとの親和性を活かした「点から線」の観光ルートを確立し、一過性のブームに終わらせない集客構造を構築します。
 文化がもたらす賑わいを、地域経済の屋台骨である「農業」の所得向上へと繋げていく。それが私の次なる使命です。


2.農業の課題と未来:生産額1,000億円達成への戦略的支援

 本県の農業生産額は、米価の影響もあり865億円まで回復しました。しかし、物価高騰や異常気象という構造的リスクは依然として農家の経営を圧迫しています。

〇 ジョイント栽培:既存資産を活かす「鳥取モデル」の確立
(ジョイント栽培[樹体ジョイント仕立て]= 隣り合う果樹[ナシ、リンゴ、カキ等]の枝を接ぎ木で連結し、直線的な一連の集合樹として仕立てる技術)

 早期収益化を可能にする「ジョイント栽培」において、国の補助基準(169本/10a)と現場の乖離が障壁となっていました。



国のモデル (省力樹形)
鳥取県内の現場実情
解決策
植栽
密度
169本 / 10a
100~130本 / 10a
県独自の技術証明により国費特例を適用
背景
新規棚設置が前提
既存の梨棚を再利用
既存設備を活かしつつ、農家の自己負担を軽減

 県が「地域技術」として証明することで、100本以上の植栽でも高水準の国費(1/2補助)活用が可能となります。これにより、農家は新たな投資を抑えつつ、最新技術を導入できる道が開けました。

〇 畜産・肉用牛への「現場主義」による支援

 令和8年度予算において、肉用牛への暑熱対策支援が当初見送られていました。JA等の調査で「要望なし」とされたことが原因ですが、現場には切実な声があります。私は、現場と調査の「ボタンの掛け違い」を指摘し、暑さに弱い肉用牛に対しても柔軟に支援を行うよう強く求め、前向きな答弁を引き出しました。

〇「農業の未来を考える組織」への転換

 単なる事務手続きの場である「再生協議会」の枠を超え、若手や女性、外部知見を交えた「未来を考える組織」を強化します。これは、官僚的な手続きから脱却し、スマート農業や新品種への挑戦を加速させるための「変革のエンジン」です。

 持続可能な産業の上にこそ、次世代を育む様々な文化(次いでお話させていただくスポーツを含む)が花開きます。

3. スポーツ推進:全中相撲のレガシー継承と2033年 国民スポーツ大会(国スポ)について

 少子化による部活動改革が進む中、地域のアイデンティティとしてのスポーツを守る闘いが始まっています。

〇 相撲の聖地としての責任

 全中相撲大会の中止決定は大きな衝撃ですが、横綱・琴桜ゆかりの「相撲の町・倉吉」には、その灯を絶やさない責任があります。地元のJC(青年会議所)等が主催する「桜相撲」などの代替大会に対し、県が強力にサポートする体制を確立させ、レガシーを次世代へ引き継ぎます。

〇 2033年鳥取 国スポへの哲学

 私のスポーツ政策の核心は、「勝利を金で買う」ような渡り鳥選手の確保ではなく、地元ジュニアの育成にあります。

【亡き恩師・横山 隆義 氏の想いを継いで】
 若潮国体で陸上を総合優勝へと導いた私の恩師、故・横山 隆義 氏は、スポーツが持つ「地域を輝かせる力」を信じて疑いませんでした。
「二巡目の国体でも天皇杯を」という氏の執念を私は受け継ぎます。今年度、私の提案により「ジュニアアスリート養成事業」へ相撲が追加・予算化されました。一時的な強化ではなく、鳥取で育った子供たちが世界へ羽ばたける環境こそが、真の勝利への近道です。

4. 結び:東伯郡から築く、持続可能な鳥取の未来

 今回の質問を通して改めて痛感したのは、県政の羅針盤は常に「現場」にあるということです。梨の植栽密度の数本の差、調査からこぼれ落ちた肉用牛農家の要望、そして土俵に懸ける子供たちの情熱。これら現場の切実な声を拾い上げ、具体的な予算や制度へと「翻訳」することこそが、東伯郡選出議員としての私の責務です。

ree

 文化を愛で、農業を誇りとし、スポーツで夢を追う。そんな「当たり前の幸せ」が持続する鳥取県を、私は皆さまと共に築き上げていく決意です。

bottom of page